死後も契約が継続!?デジタル遺品のトラブルに注意!今すぐやるべき対策とは

2020.02.04

パソコンやスマホ、タブレットなどを含めると、一人1台以上の所有が当たり前になっているデジタル機器ですが、生前の利用や契約が死後のトラブルを生み出していることをご存知でしょうか。

 

今回は「デジタル遺品」の言葉の意味や、実際の問題、トラブルについて、わかりやすくご紹介します。

不要なトラブルを避けるためにも、デジタル遺品に対する知識を身につけておきましょう。

 

 

■デジタル遺品とは

 

「遺品」とは、故人が遺したものを表す言葉です。

「デジタル遺品」とは、故人が遺したパソコンやスマホ、タブレットをはじめとしたデジタル機器に残っているデータ、インターネット上で登録したサービスなどを意味します。

 

デジタル遺品は、通常の遺品と異なり目に見えるものばかりではありません。そのことが後のトラブルにつながりやすくなっています。

 

 

■契約者の死後も契約が継続するサブスクリプション

 

中でも、毎月定額を支払うサブスクリプションの場合、特に注意が必要です。

なぜなら、サブスクリプションは自動更新型が多いため、契約者が死亡したとしても、自動で通知がいくわけではありませんから、必然的に支払いが続くことになってしまうわけです。

 

気づけば多額の支払いが行われており、本来相続するはずだった遺産が目減りしていたといったケースも考えられます。

 

 

■自動契約解消による問題

 

上記では、支払いが継続されるとお伝えしましたが、一般的には、故人のクレジットカードを止めたり、引き落とし先として指定されていた銀行口座を凍結したりすることで、自動的に契約が解消されます。

故人が一体何のサービスを使用していたのか知らないまま、家族が契約を止めているケースもあるでしょう。

 

一見この方法は特に問題はないように思われがちですが、この自動契約解消にはいくつもの問題があります。

 

ひとつは、故人がオンラインストレージなどを使用していた場合、本来遺品となるべきはずだったデータや作品などを知らない間に削除している可能性があるということです。

 

また、契約の解消に関しては、公式に認められている方法ではありません。

海外では、規約違反としてトラブルになったケースもあります。

クレジットカードや銀行口座の凍結による自動の契約解消は、あくまで他の全ての手を尽くした後の最終手段として考えておきましょう。

 

 

■デジタル遺品に関するトラブル

 

次に、デジタル遺品に関する具体的なトラブルを確認しておきましょう。

 

・SNS

遺族が故人のSNSの存在を知らず、放置してしまうことで、不正ログインによるなりますましなどの発生も考えられます。

 

・写真

通常の趣味や日常の写真であれば問題ありません。

しかし、人間関係や金銭的トラブルに関する内容の場合、死後、遺族の目に触れることで、問題が発生する可能性があります。

 

・銀行口座や仮想通貨

ネット銀行の預金も、相続の対象となります。

しかし、口座を保有していることを遺族が知らない場合や、パスワードが不明の場合は、手続きに時間がかかります。仮想通貨の場合も、厳重なセキュリティがかかっているため同様と考えるべきでしょう。

 

・FX

故人がFXで資産運用を行い、かつ負債を抱えていた場合、家族が負債を被る可能性がありますので、十分な注意が必要です。

 

 

■トラブル防止のためには、生前整理が重要

 

サブスクリプションをはじめとしたデジタル遺品のトラブルは、決して人ごとではありません。

年齢を問わず、事故や病気での突然死は誰にでもありえることだからです。

 

トラブルを極力避けるためには、生前整理が有効です。

自分がどういったサブスクリプションを利用しているのか、ネット銀行や資産運用口座を利用しているのか、それぞれのサービスのパスワードは何かといったことをあらかじめエンディングノートなどに記載し、いざというときに家族が確認できるようにしておきましょう。