5Gの電波が人体に与える影響とは?現在の電波やwi-fiとの違いについても詳しく解説!

2020.03.09

日本国内でも5G対応スマホが発表されるなど、5G実用化が目の前に迫ってきました。私たちの生活を大きく変えると期待が高まる5Gですが、その一方で、5Gの電波が健康被害をもたらすのではないかと心配する声も少なくありません。

 

そこで今回は、5Gの電波は本当に人体に悪影響を与えるのか、また5Gと現在使用されている電波・Wi-Fiの違いについて、詳しく解説します。

 

 

■5Gの電波が人体に与える影響を心配する声について

 

5G導入にあたっては、たくさんの「スモールセル(小型基地局)」の設置が予想されます。健康被害を心配する理由は主に2点です。

 

1つ目は、今までの基地局に比べ高い周波数の電波(ミリ波)を発信することです。2つ目は設置数が増えれば、その分電磁波の影響を受ける確率が高まるためです。最終的に健康被害が発生すると結論づけ、心配していると考えられます。

 

 

■人体への影響が問題視されている「ミリ波」とは?

 

健康不安を訴える人が気にしているのは、高い周波数の「ミリ波」そのものだけでありません。5Gの特徴のひとつである「高速化」を実現するためには高周波数帯が必要ですが、従来の低周波数帯に比べ、長距離通信に弱いというデメリットがあります。また、建物や人によって遮られることに加え、雨などの水分にも弱いとの性質を持っています。

 

しかし、高速・大容量通信に適していることや、アンテナなどを小型化できることなど、低周波数帯にはないメリットも多数あります。したがって、デメリットを補うためにも、スモールセルの設置数を増やす必要があるというわけです。

 

 

■5Gと現在使用されている電波やwi-fiとの違い

 

実際に4Gと5G、そして多くの人が利用しているWi-Fiは、一体何が異なるのでしょうか。

 

現在主に使用されている4Gも、通常の通信量であれば特別問題がないケースも多いです。しかし、動画を長時間見るなどした場合、すぐにデータの上限を超えてしまう可能性があります。そういった事態を避けるため、現段階ではWi-Fiを活用し、データ量を気にせず動画を楽しむことが一般的です。

 

一方、5Gは高速・大容量が特徴のひとつです。データ量の上限設定が廃止され、速度制限がなくなる可能性は大いにあります。

 

この5Gが普及すれば、4G、Wi-Fiは不要と考える人もいるでしょう。5Gは4Gと比べ、大容量で超高速、多数同時接続、超低遅延といった面で圧倒的に有利だからです。しかし、5Gの理論値は発表されているものの、日本での実効速度については未知数であるため、まだ有利であると断定するべきではないでしょう。

 

また、5G対応スマホが発表され、実際にサービスが開始されたとしても、すぐに国内全てに普及するわけではありません。少なくとも完全に5Gに切り替わるまでは、Wi-Fiは重要な立ち位置となることでしょう。

 

さらに、現在のWi-Fiに不満を感じていない人にとっては、特に5Gに変えるメリットがない可能性もあります。料金面などは今後発表される見通しのため、情報公開後は、より4G、5G、Wi-Fiの差別化が行われることでしょう。

 

 

■現段階で悪影響を心配しすぎる必要はない

 

現段階では5Gの電波が人体に悪影響を与えると断定したデータはありません。また、ミリ波や可視光は「非電離放射線」に区分され、ミリ波がいくら高周波数帯といえども、X線やガンマ線と比べれば、明らかに低い数値となります。

 

2011年にはWHOの国際がん研究機関が携帯電話の電波とがんの関係を位置付けたものの、現段階では、完全にリスクを否定する実験データがないと同時に、関係を決定づけるデータも存在していません。つまり、これは過剰に悪影響を心配する必要がないといえるでしょう。

 

もちろん、今後新たな情報が発表される可能性は否定できません。しかし、電磁波を発しているのは5Gだけではないこと、自然界にも多数の電磁波が存在していることを踏まえ、過剰に悪影響を不安がるのではなく、正しく理解することが大切になるでしょう。