総務省が5Gの周波数割当てを発表!5Gによってできること

2020.02.04

いよいよ5Gの実用化が近づく中、総務省は2019年4月に5Gの周波数割当てを発表しました。

しかし一般の方にとって、「キャリアごとの周波数の割当て」というものが何を意味するのか、「ローカル5Gとキャリアの周波数とは何が異なるのか」などといった違いはわかりにくいものです。

 

そこで今回は、改めて各キャリアの周波数割当てをご紹介するとともに、ローカル5Gの周波数やローカル5Gが意味するもの、また割当てによって何が変わるのか、具体的な内容に関してご説明していきます。

 

私たちの身近な暮らしにも影響を与える5Gの仕組みについて、今から理解を深めておきましょう。

 

 

■各キャリアの周波数割当て

 

各キャリアより申請された希望周波数に対し、総務省の審査の結果、正式に周波数の割当てが発表されました。

割当て数は、開設予定の基地局の数や5Gの活用計画などを元に評価されています。

 

また、総務省は割当ての発表とともに、各キャリアに対し、5Gの特性を生かしたサービスの普及促進や、セキュリティ対策などの条件を伝えています。

 

周波数割当ては次の通りです。

 

・KDDI/沖縄セルラー電話

「3,700MHzを超え3,800MHz以下及び4,000MHzを超え4,100MHz」「27.8GHzを超え28.2GHz以下」

→希望通り「3.7GHz帯及び4.5GHz帯」を2枠、「28GHz帯」を1枠割当て。

 

・NTTドコモ

「3,600MHzを超え3,700MHz以下及び4,500MHzを超え4,600MHz以下」「27.4GHzを超え27.8GHz以下」

→希望通り「3.7GHz帯及び4.5GHz帯」を2枠、「28GHz帯」を1枠割当て。

 

・ソフトバンク

「3,900MHzを超え4,000MHz以下」「29.1GHzを超え29.5GHz以下」

→「3.7GHz帯及び4.5GHz帯」を2枠希望するも、割当ては1枠。「28GHz帯」は希望通り1枠割当て。

 

・楽天モバイル

「3,800MHzを超え3,900MHz以下」「27.0GHzを超え27.4GHz以下」

→新規参入キャリアだが、希望通り「3.7GHz帯及び4.5GHz帯」を1枠、「28GHz帯」を1枠割当て。

 

 

■ローカル5Gとは?ローカル5Gに割当てられた周波数とは?

 

各キャリアに割当てられる周波数が決定すると同時に、ローカル5Gの周波数の割当ても行われました。

ローカル5Gに割当てられた周波数は、4.5GHz帯の200MHz幅(4.6〜4.8GHz)と28GHz帯の900MHz幅(28.2〜29.1GHz)です。

 

ローカル5Gと今までのWi-Fiと最も異なる点に、免許制の導入があります。

一見参入のハードルが高そうですが、実際には全国規模のキャリア以外であれば、基本的に誰でも免許人になることができます。

 

免許人は

・自己の建物や土地の敷地内

・建物や土地の所有者からシステムの構築を依頼された

などの条件を満たしていれば、ローカル5Gを利用することができます。

 

他者の建物や土地で利用する「他者土地利用」も可能ですが、自己土地利用が優先されるため、注意が必要です。また、他者土地利用では、端末を移動させることはできず「固定通信」に限られます。

 

全国キャリアが展開していない土地、地域でも、ローカル5Gの場合、エリア構築が可能です。

用途に合わせて性能を設定できることも、ローカル5Gの大きな強みといえるでしょう。

 

 

■5Gの割当てにより何が変わる?

 

5Gの周波数は、高ければ高いほど、より高速・大容量化を実現することができます。

 

例えばKDDIの場合、今回28GHz帯に400MHz、3.7GHz帯には200MHz、合計600MHzが割当てられました。

すでに割当てられていた周波数帯域は、3.6GHz帯以下、190MHzであったことを踏まえると、約3倍に増加したと考えられます。

 

正式な割当てが行われたことにより、各キャリアは、全国の商業地域や鉄道沿線などの生活圏内などへの基地局設置を進めています。

都市部から利用できるようになるイメージの強い5Gですが、同時に地方創生に関しても期待が高まっています。

 

VRやAR、自由視点映像のリアルタイム配信にも、5Gの特徴である高速・大容量・低遅延が活用されます。

また5Gは、物流、農業、漁業、過疎地の医療などさまざまな分野と関連しているため、全ての人の暮らしを変えていくといっても過言ではありません。