出先でも遠隔操作可能!Windows10のリモートデスクトップを徹底解説
出先で思ったようにパソコンを活用できず困っているという方も多いのではないでしょうか。
リモートデスクトップは、プライベートの作業はもちろん、テレワークや出張時など仕事にも活用できる便利な機能となっています。
いつも利用している環境を出先でも使うことによって、パソコンの便利さをより感じることできるようになる機能ですので、気になる方は参考にしてみてください。
■リモートデスクトップとは?
リモートデスクトップは、パソコン間を接続して遠隔操作をおこなうことができる機能です。
遠隔操作の対象となるパソコンを「ホストPC」、アクセスをおこなうためのパソコンを「ゲスト」として、2台の間で画面を共有して操作が可能となります。
遠隔地からでも自宅で使っているメインのパソコンを操作できるようになるため、旅行や出張による長期間自宅に戻れない場合でも、自宅にいる時と同じ作業ができます。
毎回面倒な設定をする必要はなく、初期設定だけ済ませておけば日常的に容易に接続ができるようになっています。
■リモートデスクトップを利用するための条件と設定方法
リモートデスクトップを利用する上でまず知っておくべき点としては、Windows10であれば全てのパソコンが利用できるという訳ではないということです。
条件としては、Windowsのエディションが「Pro」「Enterprise(法人向け)」のいずれかであること、Windowsへのログインパスワードが設定されていることが必須です。
エディションがHomeになっている方は、Proへのアップグレードが必要となりますので、Microsoftのホームページから有料でアップグレードするか、家電量販店などでライセンスを購入する必要があります。
まずはご自身のパソコンの状況を確認してみましょう。
【リモートデスクトップの設定・使用方法】
お持ちのWindows10のバージョンやビルドによって若干文言が異なりますが、接続先、接続元の双方のパソコンで以下の操作をおこなうことで接続可能となります。
〇接続先のパソコンで必要な操作
スタート > 設定 > システム > リモート デスクトップ の順に進み、
「リモート デスクトップを有効にする」 をオンにします。
「この PC に接続する方法」に表示される PC 名メモします。
〇接続元のパソコンで必要な操作
「リモート デスクトップ接続]」で、メモを取った接続先の
PC の名前 を入力し、「接続」 を押します。
以上の設定だけで、リモートデスクトップが利用できるようになります。
リモートデスクトップのメリットとは?
リモートデスクトップを利用するメリットは大きく分けて3つ存在します。
1.パソコンを持ち運ぶリスク回避につながる
多くの個人情報が入っているノートパソコンやタブレットパソコンを持ち運ぶことに抵抗を感じている方は、リモートデスクトップを活用することでリスク回避ができます。
あくまでもパソコンを2台以上お持ちである必要はありますが、メインのパソコンは自宅に置き、外出時にサブのパソコンからメインパソコンへの接続をすることで、紛失や盗難といったリスクを避けられます。
2.いつも通りの環境で利用できる
複数のパソコンを同じ環境に設定するのは実は難しいものです。
インストールしているソフトや各種設定などの違いによって、操作性の違いはどうしても出てしまいます。
その点、リモートデスクトップはいつも利用しているパソコンに接続して操作可能なので、効率よく作業を進めることができます。
3.仕事の効率アップが期待できる
リモートデスクトップは仕事で使うパソコンにも適しています。
特にフリーランスや個人事業主として活動している方は、どこにいてもいつものパソコンにアクセスができるのは大きなメリットです。
いつも利用しているソフトや個人データにすぐアクセスできるのは仕事の効率を高めることができます。
利用不可の際に代用できるクイックアシストについて
Windows10では「クイックアシスト」という遠隔接続ソフトが最初からパソコンに入っていますので、リモートデスクトップの利用ができない場合には、代替ソフトとして利用できます。
クイックアシストは、接続する側のパソコンでマイクロソフトアカウントでサインインして、接続のためのコードを発行し、接続される側のパソコンに入力するだけという簡単仕様で、無料での利用が可能です。
ただし、接続が切れると双方のパソコンで再接続の操作が必要となりますので、旅行や出張といった長期間の利用には不向きですので、あくまでも一時的な利用を考えるのが良いです。
■リモートデスクトップを利用する際の注意点
リモートデスクトップを利用する上で注意が必要な点は、大きく分けて2つです。
1. PCのセキュリティは最低限保つ必要がある
2台のパソコンを接続するリモートデスクトップでは、セキュリティ対策ソフトの導入をお勧めします。
Windows10ではセキュリティ対策ソフトがインストールされていない場合、Windows Defender(ウィンドウズ・ディフェンダー)という最低限のセキュリティを保つシステムが動きます。
ただ、警察庁が2022年2月に発表した「令和3年におけるサイバー空間をめぐる脅威の情勢等について(速報版)」では、ランサムウェアの感染経路の20%がリモートデスクトップだったと発表されています。
可能な限り、市販されているセキュリティ対策ソフトがインストールされているパソコン同士の接続が好ましいです。
※令和3年におけるサイバー空間をめぐる脅威の情勢等について(速報版)https://www.npa.go.jp/publications/statistics/cybersecurity/data/R03_cyber_jousei_sokuhou.pdf
2. ショートカットキーなど一部利用できない機能も存在する
リモートデスクトップで利用不可なキーが存在します。
代表的なもので言うと、パソコンがフリーズした際によく使う、Windowsのセキュリティオプションを表示できる「Control+Alt+Delete」のキーです。
リモートデスクトップ接続時は、接続元のPCの画面のセキュリティオプションしか表示できませんので利用不可です。
その他にも、機種によって存在している「簡単ボタン」や「便利ボタン」など、パソコンメーカーで独自で搭載しているボタンは基本的に機能しないことも覚えておくと良いです。
■まとめ
この記事では、リモートデスクトップについて紹介しました。
あくまでも2台以上のパソコンをお持ちの方が対象の機能ではありますが、プライベート、仕事を問わず、さらにパソコンを便利にすることができます。
多くの企業でも導入されている機能ですが、一般ユーザーでも比較的に簡単に利用できるという導入までのハードルが低いという特徴もあります。
是非、興味がある方はリモートデスクトップの導入を検討してみてはいかがでしょうか。