今こそ知っておきたい5Gの現状と問題点とは?セキュリティ問題の解決方法とは?
2020年2月17日、シャープは国内初となる5G対応スマホ「AQUOS R5G」を発表しました。5G導入に対する期待がさらに高まり、ワクワクしている方も多いことでしょう。しかし、5Gに関する問題点は全て解決しているとは言い難いのも事実です。
そこで今回は、5Gの導入・実用化が進む前に、今一度5Gの現状と問題点、そして解決策についてわかりやすく解説していきます。現状を確認するためにも、ぜひ本記事をお役立てください。
■5Gとは
5Gとは、主に「高速・大容量」「低遅延」「大接続」の3つの特徴を持つ第5世代移動通信システムのことです。
IoT化が進む中、インターネットを介してさまざまなモノ同士をつなぐためには、今までの通信システムのままでは、容量やスピードが乏しく、難しい状態でした。この問題を解決し、社会インフラを大きく変えようとしているのが5Gです。
■高まる5Gへの期待
日本でもいよいよ2020年春に、5Gの実用化がスタートします。実用化に至るまでの間には、日本各地で実証試験が行われてきました。
例えば、近年働き方改革の一環として都市部のサテライトオフィスを地方に設置する動きが増えています。実験では、徳島県西郡神山町のサテライトオフィス内や車内で5Gを用いて、社内ネットワークや高精細TV会議システムを利用し、超高速通信が可能かどうかの検証が行われました。
また、和歌山県や群馬県では、5Gを活用した遠隔診療や、救急車両から患者の高精細映像や検査データ、マイナンバーカードに紐づいている情報などの医師への共有などが行われました。
そのほか、駅構内屋内環境での通訳アプリ・危険物検知や、公道でのトラックの隊列走行、車両の遠隔監視・遠隔操作に関する実証など、さまざまな分野での実験が行われ、多くのデータを得ることができています。
■5Gの問題点
私たちの生活を大きく変えてくれる5Gですが、同時に今想定されている問題点についても、見過ごすわけにはいきません。いくつか例を挙げておきます。
・サイバー攻撃の影響
5Gが実用化され、全てがつながっている世界は、言い換えれば、サイバー攻撃のリスクを受けやすい社会といえます。ハッカーの侵入、家電機器の動きの妨害などは、国外ではすでに発生している事例です。
・扱いにくい「ミリ波」
5Gのメインは高周波数帯「ミリ波」です。このミリ波には、壁や人体によって遮られてしまう、雨や水分に弱いなどの課題があります。いくら5Gが「高速・大容量」「低遅延」「大接続」をうたったとしても、高周波数をきちんと扱うことができなければ、理論通りの結果を出すことは難しいでしょう。
■5Gの問題点に対する解決策
5Gの問題点についてお伝えしましたが、解決策がないわけではありません。ミリ波に関しては、基地局を増やしたり、ローカル5Gの仕組みを整えたりすることで、リスクが軽減されます。
また、サイバー攻撃に関しても、各自治体・各企業がリスクを理解し、セキュリティを高めることが重要です。地域の中小企業ではサイバーセキュリティ対策が遅れているところも少なくありません。
しかし、特にIoTセキュリティソリューションは必要不可欠です。そのため、未だ手をつけていない企業は5G実用化に合わせて対策を強化していくことが大切になるでしょう。
■今後ますます活躍の場を広げる5G
5Gの普及により、私たちの生活は大きく変化することが予想されます。車の自動運転や建機の遠隔操縦、農業分野でのドローンの活用など、すでに実用化が進みつつある分野においても、5Gの普及によってさらに加速することでしょう。
ただし、前述しましたように新しいサービスにおいては、リスクや問題が発生する可能性も高いものです。5G実用化だけに目を奪われることなく、常に最新情報を確認することをおすすめします。