PCの中身も大掃除!掃除の仕方、ファイルの整理、買い替え時チェック
「大掃除の季節ぐらいパソコンもきれいにしたいけれど、どうすればいいのかわからない」
年末や年度末など、自宅やオフィスをきれいに掃除する大掃除の季節。目に見える場所だけでなく、実は毎日使っているパソコンの中身も大掃除が必要です。パソコンは使えば使うほど、内部にホコリが溜まり、システム上には不要なデータが蓄積されていきます。
パソコンをそのまま使い続けることは、セキュリティや動作速度に悪影響を及ぼし、まるで散らかり放題の部屋で作業するようなもの。
この記事では、Windows11を対象に、専門的な知識がない方でも簡単にできる、「物理的なお掃除」「デジタルデータの整理」「買い替えの判断」という3つのステップで、あなたのパソコンを生まれ変わらせるための具体的な方法を、株式会社パソコンファームが解説します。
ステップ1:物理的な「大掃除」でPCの寿命を延ばす
パソコン内部にホコリが溜まると熱がこもりやすくなり、処理速度の低下や故障の原因になります。安全な方法で物理的な掃除を行い、パソコンの寿命とパフォーマンスを回復させましょう。
1. キーボード・マウスの徹底除菌と清掃
- キーボード:
- パソコンの電源を切り、裏返して軽く叩き、キーの隙間に溜まった大きなゴミを落とします。
- エアダスター(パソコン用の圧縮空気スプレー)を使い、キーの隙間に斜めから噴射してホコリを吹き飛ばします。
- 消毒用エタノールを染み込ませた柔らかい布で、キーの表面とキーボード全体を拭き上げます。※ウェットティッシュは水分が残りやすいため、非推奨。
- マウス:
- 底面のセンサー部分にホコリが付いていないか確認し、綿棒などで優しく拭き取ります。
- 表面をキーボードと同様に除菌します。
2. パソコン本体の通気口・排熱口のホコリ除去
ノートパソコンもデスクトップパソコンも、本体側面や背面に空気の吸入口と排熱口があります。ここがホコリで詰まると、熱がこもりやすくなります。
手順:
- 電源を切り、ケーブル類をすべて抜きます。
- エアダスターを使用し、通気口からホコリを吹き飛ばします。
3. 液晶画面(ディスプレイ)の拭き掃除
画面は指紋やホコリが付きやすい場所です。絶対に水や一般的な洗剤を使わず、専用のクリーナーを使用してください。
手順:
- パソコン専用の液晶クリーニングクロス、または液晶画面用のウェットティッシュ(ノンアルコール推奨)で、優しく一方方向に拭き取ります。力を入れすぎないことが重要です。
ステップ2:デジタルデータとシステムの中身を整理する
物理的な掃除が終わったら、次はパソコンの心臓部であるシステムとストレージ(Cドライブ)の整理に取り掛かります。不要なファイルを削除し、設定を最適化することで、Windows11の起動速度や動作の安定性が向上します。
1. Windows11の標準機能で不要ファイルを徹底削除
パソコンの動作を遅くしている最大の原因の一つが、OSやアプリが生成した大量の一時ファイルです。Windows11には、これらを安全に削除する便利な機能が搭載されています。
① 「ストレージセンサー」をオンにして自動化する
ストレージセンサーは、ゴミ箱や一時ファイルなど、不要なファイルを自動で削除してくれる機能です。
- スタートボタンを右クリックし、「設定」を開きます。
- 左メニューから「システム」を選択し、「ストレージ」をクリックします。
- 「ストレージ センサー」をオンにします。
② 「クリーンアップ対象候補」で大容量ファイルをチェックする
手動で確認して削除したいファイルがある場合は、以下の機能が便利です。
- 「設定」→「システム」→「ストレージ」の画面で、「クリーンアップ対象候補」をクリックします。
- 「大きなファイルまたは使用されていないファイル」の項目を確認し、不要な動画ファイルや昔のバックアップファイルなど、大容量のファイルをチェックして削除します。
【参照URL】 Storage Sense を使用してドライブ領域を管理する - Microsoft サポート
Windows で PC のパフォーマンスを向上させるためのヒント - Microsoft サポート
2. ファイルを分かりやすく整理・断捨離する
データ整理の最終目標は「必要なファイルにすぐアクセスできる状態」にすることです。
- デスクトップの整理:
- デスクトップは「作業台」であり「保管庫」ではありません。アイコンが多いと起動が遅くなる原因にもなります。デスクトップ上のファイルは、すべて「ドキュメント」フォルダなどに移動させましょう。
- 特に必要なショートカットや作業中のフォルダのみを、クイックアクセスにピン留めして活用します。
- ファイルの命名ルールを統一:
- ファイル名に「【日付(例: 20250101)】【プロジェクト名】【バージョン】」といったルールを設けます。これにより、並び替え機能を使った時に目的のファイルをすぐに見つけられるようになります。
- 使っていないアプリをアンインストール:
- 「設定」→「アプリ」→「インストールされているアプリ」を開き、半年以上使っていないアプリや、インストールした覚えのない不要なアプリをアンインストールしましょう。アプリの容量が大きいほど、ディスクの空き容量が大きく回復します。
ステップ3:買い替え時期をチェックする5つのサイン
掃除や整理をしても、パソコンの根本的な「古さ」は解決できません。以下のチェック項目に複数当てはまる場合は、買い替えのサインであり、新しいWindows11 パソコンへの移行を真剣に検討すべき時期です。
買い替え検討のチェックリスト
- 購入から5年以上経過
メーカーの部品保有期間が終了して修理が難しくなるため、故障時に業務が停止するリスクが高まります
- 起動や動作が極端に遅い
パソコンの起動に数分かかる、アプリの立ち上がりに時間がかかるといった状態は、生産性の大幅な低下につながります。
- 熱がこもりやすく、ファンの音がうるさい
内部の冷却機能が限界に近づいている可能性があります。掃除をしても改善しない場合は、熱暴走や故障のリスクが高いので注意が必要です。
- セキュリティサポート期限が近い
過去のOSや、古いバージョンのWindows 11は、将来的にサポートが終了するため、セキュリティリスクが大きくなります。
- 最新のアプリや周辺機器が動作しない
メモリやCPUの性能不足により、最新の業務ソフトやプリンターなどの周辺機器が正常に動作しない場合は、業務に支障が出る可能性があります。
特に法人利用の場合、購入から5年が経過するとメーカー保証や修理サポートが終了し、トラブルが起きた際のリスクが非常に大きくなります。また、古いパソコンは消費電力も大きく、電気代の面でも非効率です。
買い替えとセットで考えたい「Windows11の導入」
もし買い替えを決断するなら、当然ですが最新のWindows11搭載パソコンを選ぶべきです。
- Windows10のサポートは2025年10月14日に終了しています。サポート終了後のパソコンを使い続けることは、前述の通りセキュリティ上の重大なリスクを伴います。
- 新しいパソコンへの移行は、単なる機器の入れ替えではなく、「セキュリティと業務効率の向上」というIT投資であることを意識しましょう。
まとめ|大掃除はPCの健康診断。困ったら専門家へ
物理的な大掃除からデータ整理、そして買い替えの判断まで、パソコンのメンテナンスは企業のIT環境における健康診断とも言えます。定期的なメンテナンスを行うことで、突然のトラブルを防ぎ、快適で安全な業務環境を維持できます。
とはいえ、日々の業務に追われる中で、何十台もある社内パソコンの掃除やデータ整理、そして全社的な移行計画を立てるのは、担当者にとって大きな負担となります。
株式会社パソコンファームでは、法人様のパソコンに関するあらゆるお悩みをワンストップでサポートいたします。
パソコンの大掃除や買い替えをご検討中の法人・個人のお客様は、お気軽にお問い合わせください。専門のスタッフが迅速に対応いたします。





