仮想通貨の種類と特徴を徹底比較!暗号化の仕組みも解説!

2022.09.08
Bitcoinのイメージ画像

2008年にビットコインが誕生し、今では世界中の誰もが知るほど大きな存在となっています。
そして仮想通貨は単なる通貨の役割だけではく、様々なサービスを提供してくれるようになりました。

今回は改めて仮想通貨について説明をすると同時に、仮想通貨の送金方法についても紹介していきます。

 

 

■仮想通貨とは

 

仮想通貨とは、一言で説明すると「インターネット上でやり取りできる実体のない電子的な通貨」のことです。
今では法定通貨も、店舗やATMに行かずにインターネットで送金が出来るようになりましたが、仮想通貨との決定的な違いは銀行などの中央管理者を介することなく、世界中に素早く送金することが可能であることです。

その仕組みがブロックチェーンにあります。

 

ブロックチェーンについて

私たちが一般的に使用しているネットワークはクライアント・サーバ方式と言い、一つのサーバを中心に、クライアントである私たちの端末が繋がっている状態のシステムです。

一方、ブロックチェーンはP2P(peer to peer:ピア・トゥ・ピア)と呼ばれる仕組みで動いているネットワークで、中心となるサーバを持たず、端末それぞれが互いにつながってシステムを動かしています。

P2Pの図解

 

クライアント・サーバ方式は、銀行振込を例にとると、管理者である銀行のサーバを使用(経由)して振込を行われます。
しかし、P2Pは各端末がつながっており、各端末において送金処理などについて承認作業を行うため、管理者が不在で送金作業を行うことができます。

このようなことから、銀行のように管理者が存在するクライアント・サーバ方式を中央集権(Centralized)と呼び、管理者が不在のブロックチェーンシステム(P2P)の事を非中央集権(Decentralized)と呼びます。

 

 

仮想通貨の種類について

仮想通貨は大きく分けて「ビットコイン」とそれ以外のコインを総称した「アルトコイン(オルトコインとも呼ばれる)」があります。

アルトコインとは「代替の」という意味の「alternative(オルタナティブ)」と頭文字を取ってつけられたものです。
このビットコイン誕生の後、新たな仮想通貨が次々と開発され、現在では膨大な数の仮想通貨が存在しています。

 

 

■仮想通貨の特徴

 

先述した通り、膨大な数の仮想通貨が存在しますが、それぞれが全て異なる特徴を持っています。
その全てを紹介することは出来ませんが、ビットコインと、その次に有名なイーサリアムについて紹介していきます。

 

ビットコインの特徴

2008年、サトシナカモトなる架空の人物により生み出された最初の仮想通貨がビットコインです。

ブロックチェーン技術が生み出した画期的な通貨で、仮想通貨の中では最も高い価格で取引されており、その取引量の多さはアルトコインとは一線を画しています。

 

ビットコインの特徴は

・銀行などを経由せずにいつでも、どこにでも送金ができる
・銀行などを経由しないので海外送金でも決済が速い
・銀行口座などを所持していなくても送金や受取などの取引が可能

 

また、仮想通貨全体のボラティリティ(価格変動)はビットコインに合わせるように変動していることからもわかるように、仮想通貨の枢軸を担っている通貨です。

もう一つの特徴は、実際の経済において決済に使用されている通貨であることです。
飲食店などでは、ビットコインや他の仮想通貨で決済できる店舗が、日本を含めて世界中にありますが、国家レベルで使用が想定されているのはビットコインのみです。

先述したように、仮想通貨は銀行などの管理者が不在で使用できる通貨です。
これは銀行口座を持つことができない国民が多い国や、独裁政権などによるハイパーインフレ率の高い国など、政情が不安定な国家での使用が想定され、既にビットコインを国家の法定通貨として使用している国も存在します。

 

イーサリアムの特徴

ビットコインの次に取引量が多いのがイーサリアムです。

イーサリアムはブロックチェーン技術に興味をもち、ビットコインの開発にも携わっていた、当時19歳のヴィタリック・ブテリンが開発した通貨です。
その特徴はブロックチェーンに「スマートコントラクト」という自動契約機能を実装させていることです。

スマートコントラクトとは、自動販売機を例にすることが多いのですが、機械にお金を投入するだけで飲料が購入できるように、一切「人」が介入することなく、ブロックチェーン上で自動的に契約事項を完結できるシステムのことを言います。

このスマートコントラクト機能は、その後のブロックチェーン技術を大きく進化させ、スマートコントラクト機能を使用した様々なサービスが誕生しました。
昨年から大ブームが巻き起こっている「NFT」や、今年大流行した、歩いて稼ぐ「STEPN」のようなサービスもこのスマートコントラクト技術によって実現したサービスです。
もちろん、決済手段としても使用できますが、イーサリアムを決済手段として使用するには手数料が高いなどの問題点があり、積極的な使用はあまりされていません。

 

なお、イーサリアムは2022年秋ごろにアップデートが予定されており、それ以降は手数料が安くなると期待されています。

 

 

■仮想通貨の送金方法

 

ここから、仮想通貨の送金の仕組みについて簡単に説明します。

 

法定通貨の送金

仮想通貨の送金方法と比較するため、法定通貨の送金方法を確認すると

 

  1. Aさんが自分の銀行口座から、Bさんの口座番号を指定する
  2. Bさんの口座番号が間違いないことが確認できたら金額を指定する
  3. 宛先のBさんと金額に間違いがなければ、決定し、送金作業が完了

 

以上のようなプロセスになります。

 

公開鍵暗号方式を図解で説明

仮想通貨の場合も、見た目は法定通貨の送金方法と同じですが、銀行などの管理者が不在のため、「公開鍵暗号方式」という技術を使用し、ブロックチェーン上で処理を行います。

 

AさんがBさんへ1BTC送金する場合を簡単に図にしました。

公開鍵の図解

 

具体的な説明をします。
まず前提として、暗号資産で送付する際、AさんもBさんも必ず仮想通貨専用のウォレット(財布)を持つ必要があります。
このウォレットを持つと英数字がランダムに並んだ文字列で構成された「秘密鍵」というものが割り当てられ、この秘密鍵からデータを暗号化するための「公開鍵」が生成されます。

 

実際に送金する際のシステムを動きは以下の通りです。

  • AさんがBさんへ送金する際、Bさんの秘密鍵で生成された公開鍵を使用して、1BTCを送金する際のデータを暗号化する。
  • 暗号化されたデータがBさんへ届き、Bさんは自分の秘密鍵で暗号を解読し、1BTCを受け取る。

 

先述した通り、仮想通貨で送金する際の見た目は銀行振込の場合と変わらず、パソコンやスマホでも送金は簡単にできます。
その裏側のシステムでは上記のような方法で送金が行われており、この一連の流れが「公開鍵暗号方式」となります。

 

これらの用語を銀行振込で使用する用語に置き換えてみると下記のようになります。

  • 公開鍵:口座番号
  • 秘密鍵:暗証番号

 

暗証番号が他人に知れ渡ると危険であるのと同じで、秘密鍵が他人の目に触れると資金を盗まれてしまうので取扱いには厳重な注意が必要です。

 

仮想通貨送金時の注意事項

仮想通貨の送金時に、もう一つ、送り先のウォレットアドレスというものが必要になります。
これも銀行口座でいう口座番号にあたりますが、送金する際にこのアドレスを間違えて送ってしまうとほとんどの場合、取り戻せなくなります。
銀行の場合と違って唯一のデメリットでもありますが、管理者が不在なので送金先の確認は誰も行ってくれません。
とは言え、それを補う方法も準備されていて、間違いが極力起きないような送金方法が確立されています。

 

また、先述したように、秘密鍵はとても大事なものです。
PC上での保管ではなく、紙に印刷をして誰の目にも触れないように大事に保管することが推奨されています。

 

 

■まとめ

 

仮想通貨はネガティブなイメージが先行しがちですが、冒頭にも書いた通り、仮想通貨の使用用途は幅広くなっており、多岐にわたるサービスが生まれています。

 

特に、最近話題になっているWeb3と呼ばれるビジネスは世界的にも注目度が高く、新しい時代に突入しつつあるのを実感せざるを得ません。

 

仮想通貨はとても奥が深く難しい技術でもあり、今回の説明はそれらのほんの入り口にすぎません。
機会があればさらに奥深く解説していければと思います。