入力音でハッキングされる!?音声技術の現状と知っておきたいセキュリティ対策
音声技術は日々進化を遂げています。人の声をスマートフォンが認識する音声認識技術は、特にイメージしやすいのではないでしょうか。
SiriやGoogle Home(スマートスピーカー)のように実用化されているものも多数あります。そんな音声認識技術ですが、技術進化を遂げることで便利になっている一方で、セキュリティ面に関し様々な問題が起こる可能性があることにも注意が必要です。
今回は、音によるハッキングの可能性と、知っておくべきセキュリティ対策について見ていきましょう。
■音声技術とは
「音声認識技術」は、人間の音声を認識した上で、振動である音声を波で表現します。そして「音声波形」で表現し、音の最小構成単位「音素」を特定したのち、テキストに変換する技術のことをいいます。
音声認識に関しては、すでに1960年代から研究が進められていました。現在では、音声信号と対応する音をモデル化した「音響モデル」と、自然な単語の並びをモデル化した「言語モデル」の2つに加え、ディープラーニングも加わり、より精度が上がっています。
■音によるスマホのハッキングは可能?
音声技術研究が進むにつれて私たちの生活の利便性が向上した一方で、新たな心配が浮上していることをご存知でしょうか。
その理由として、実際に話した内容だけでなく、スマートフォンに入力する際の音を認識できるとの研究結果が発表されていることが挙げられます。
正式な研究論文ではありませんが、Androidを搭載した機器のマイクにより、入力の際の振動を捉え、録音した音波を分析することでユーザーがタップしたスクリーンの場所やキーを知ることができたとの発表が行われました。
現段階では、あくまでこれらは学術的な実験結果、研究結果の一種であり「現実的ではない」「信頼性に欠ける」とされていますが、スマートフォンのタップ音、振動からパスワードをハッキングできたことは事実です。
そのため今後、音波を扱うハッカーが出てくる可能性は決して否定できません。
■入力音によるハッキングを防ぐ方法
「入力音からのハッキングは、遠い未来の話。まだ大丈夫だろう」と安心するのではなく、セキュリティ対策を意識しておくことが大切です。
パスワードを正確にハッキングすることは難しいとしても、性別や年齢、趣味嗜好といった個人情報を取得することが想定されるため、できるだけ早いセキュリティ対策をおすすめします。
このセキュリティ対策を行う上で心がけておきたいポイントを2点紹介しておきます。
信頼できるサイト以外からアプリを入手しない
これはハッキング以外のセキュリティ対策にも言えることですが、アプリを入手する際は必ず「App Store」「Google Play Store」などの公式サイトや確実に信頼できるサイトからダウンロードしましょう。
開発者が不明のアプリや、目的不明な海外サイトに掲載されているアプリなどは、どれだけ内容に興味があったとしても避けましょう。
ダウンロードしてから対策を取るのではなく、あらかじめ自衛することが大切です。
マイクが必要なアプリのみ許可
入力音によるハッキングの場合、例として、アプリを起動させる際に自動的にマイクにアクセスする仕組みが考えられます。現在のセキュリティ上、マイクにアクセスする際には、ユーザーの許可が必要です。
新しいアプリをインストールする際には、本来必要ではないアプリにもかかわらずマイクにアクセスしようとしていないか、しっかりと確認しましょう。
また、すでにインストール済みのアプリも、今一度見直し、本当にマイクが必要なアプリのみ許可しておくと良いでしょう。
■まとめ
現段階では、入力音によるハッキングは現実的ではありません。
しかし、それほど遠くない将来には起こり得る可能性が高いです。今からセキュリティ対策を意識し、備えておくことをおすすめします。