パソコンを安全に廃棄する際の注意点と情報漏洩を防ごう
パソコンを買い替えるなどの際に古いパソコンを廃棄するには、事前に準備が必要です。
まず、古いパソコンから必要なデータのバックアップを取らなければなりませんが、それ以外にもやるべきことがあります。
ここでは、パソコンを廃棄する前の準備や、廃棄したパソコンからの情報漏洩問題などについて見ていくことにします。
■パソコンを廃棄する前に準備すること
パソコンを廃棄する前に、最低限やっておくべきことがあります。
それはデータのバックアップとパソコンのデータ削除です。
◇バックアップを取る
バックアップを取るのは主にHDDのデータですが、その他にメールの送受信データやお気に入りに登録したデータなども、忘れずに取っておきましょう。
バックアップを取る媒体はCDが一般的ですが、最近ではクラウドサービスを利用してデータを保存する方法もありますので、用途や好みに合わせて選ぶことができます。
◇廃棄パソコンのデータを削除する
いらなくなったパソコンを廃棄する方法はいろいろあります。
メーカーに回収してもらったり、パソコンショップに買い取りを依頼したり、自治体のパソコン回収ボックスに投函したり、回収専門業者に回収を依頼するなど、さまざまな廃棄方法があります。
これらの廃棄方法を利用すると、多くの場合パソコンのデータを削除した上で処分したり、物理的にパソコンを破壊して処理してくれます。
そのため、基本的にパソコンのデータを削除する必要はないのですが、念のため廃棄する前に自分で削除しておくほうがいいでしょう。
◇データ削除の方法とその仕組み
HDDデータの削除は、データ削除用ソフトを使用して行いますが、このソフトには無料ソフトと有料ソフトがあります。
データ削除用ソフトは0や1や乱数など、無意味なデータをHDDの全容量に上書きして元データを抹消する方法が一般的です。
なぜこんな工程が必要なのかといいますと、単にHDD内のデータを削除しただけでは、データ復元ソフトを使うと復元できてしまうからです。
ちなみに、無料ソフトを使ってデータを削除すると、データ復元ソフトで復元できる可能性が高くなるといわれています。
そのため、より万全を期すのであれば、有料ソフトを使ってHDDのデータ削除を行うほうがいいでしょう。
また、データ漏洩を防ぐには、データ削除用ソフトを使う方法のほかに、パソコンを物理的に破壊してデータを取り出せなくする方法もあります。
これは、パソコンからHDDを取り出して、ハンマーなどを使って破壊する方法です。
■廃棄したパソコンから情報漏洩
総務省が廃棄パソコンからの情報漏洩について注意喚起していますので、その内容を紹介しましょう。
◇廃棄パソコンから情報漏洩
廃棄したパソコンや、他人に譲渡したパソコンから情報が漏洩した事例があります。
中古で買ったパソコンに前の所有者のデータが残っている場合がありますが、これは情報漏洩防止の観点から見ると、非常に危険な状態と言わざるを得ません。
中には企業で使われていた中古パソコンを意図的に購入して、HDD内のデータを盗み出すという手口も実際に起きています。
このような被害は、HDD内のデータを削除したりHDDを初期化しただけで、パソコンを処分してしまった場合に起きています。
データをただ単に削除したりHDDを初期化しただけでは、見た目にはデータが消えたように見えても、HDDにはまだデータが残っておりデータ復元ソフトを使えば容易に復元できてしまいます。
そのため、不要になったパソコンのHDDの処理には、データ削除用ソフトを使ってデータを削除するか、専門業者に依頼してデータを削除してもらうほうが安全です。
また、データを削除するのではなく、HDDを物理的に破壊してデータを取り出せなくする方法もあります。
パソコンからHDDを取り出してハンマーなどで破壊すればいいのですが、その場合はHDDの外装を壊すだけでなく、中のディスクを確実に破壊する必要があります。
情報漏洩を防ぐには、こういった方法を組み合わせて、HDD内のデータの重要度に合わせてデータを破壊するといいでしょう。
◇廃棄以外の情報漏洩の可能性
情報漏洩は、パソコンを廃棄する場合だけに起こるのではありません。
パソコンを修理に出す際にも情報漏洩の危険があります。
修理の際は作成したデータやメールの送受信データのバックアップを取った上で、それらを削除してから業者に渡すようにしましょう。
企業の情報漏洩は、企業の根幹を揺るがす重大な事態を招きかねません。
ですから、どんなに注意しても、注意しすぎることはないのです。
【パソコンファームのハードディスク破壊動画】