MagSafe、Qi、PDとは?急速充電なら一緒じゃないの?
最新のiPhoneには「MagSafe」、新型のノートパソコンには「PD」、さらには「Qi」対応充電器などがあり、それぞれがどういうものなのかわからないまま使っている人も少なくないのではないでしょうか?
この記事ではMagSafe、Qi、PDとはなにか、それぞれのメリットを解説します。
■MagSafe、Qi、PD(USB Power Delivery)とは?
MagSafe(マグセーフ)
MagSafeはiPhone 12シリーズから搭載されたワイヤレス充電システムです。
最大の特徴は磁石を利用している点です。これまでのワイヤレス充電では本体と充電器がずれてしまい、充電ができていなかったということがありました。
MagSafeはiPhone 12シリーズの背面に埋め込まれた磁石を利用して、充電器と本体がくっつき、ずれが発生しないメリットがあります。また、MagSafe対応のケースであれば、装着したまま充電ができます。
MagSafeは最大15Wの高速充電に対応しており、20Wほどの電源コネクタもしくは15W以上の給電が可能なUSBポートから充電します。
Qi(チー)
Qiはワイヤレスパワーコンソーシアム(WPC)という団体が定めた、国際標準ワイヤレス充電規格で、読み方は「チー」です。MagSafeよりも前からあり、知名度は高くありませんが、様々なモバイル端末で利用されてきました。
日本で初めてQi対応スマートフォンを販売したのはNTTドコモでしたが、当時はまだAndroidを利用する人も少なく、爆発的に知名度が広がったというわけではありませんでした。しかし、iPhone 8でワイヤレス充電機能としてQiが搭載されると一気に認知されました。
PD:USB Power Delivery(USBパワーデリバリー)
PDと表記されることが多いですが、正式名称はUSB Power Deliveryです。
USB Power DeliveryはUSB Implementers Forum (USB-IF)によって定められた充電規格です。USB Type-Cに対応した規格であり、最大で240W(48V/5A)の供給が可能です。また、従来の規格と同様にデータ通信も可能です。
■MagSafeのメリット
ワイヤレス充電が便利
マグネットによって固定されるため、着信や通知のバイブレーションによって充電器から落ちてしまうことが防げます。また、置いておく必要がある充電器とは異なり、充電したままでも本体を持ち上げて操作することができます。
高速充電が可能
最大15Wの高速充電に対応しています。Qi規格でも高速充電が可能ですが、最大7.5WとMagSafeの半分の出力までしか対応していません。より早く充電が終わります。
■Qiのメリット
ケーブルがなくても置くだけで充電できる
ワイヤレス充電規格の先駆けとしては、置くだけで充電できることがメリットと言えます。これまではケーブルをつなぐ以外に充電の選択肢はなく、ケーブルに繋がないと行けない場合、繋いだ先のパソコン等にスマートフォンに入っているデータが見られてしまう可能性がありました。
Qiはデータ通信を物理的にしないようにできることが大きなメリットです。
異なる機種にも充電できる
Qi規格はスマートフォンだけでなく、様々なモバイル機器で利用できます。例えば、ワイヤレスイヤホンや充電器、スマートウォッチなどが挙げられます。MagSafeと大きくことなるポイントとしてはメーカーやデバイスを問わず、対応機器であれば同じように使えることです。
■PD(USB Power Delivery)のメリット
接続するだけで自動的に急速充電できる
USB Type-Cには接続時に自動で充電器側と機器側でどの程度の電力でやり取りが可能かの情報が渡されて、適切な充電を行う機能があります。そのため、接続時に機器にとって最適な充電速度で充電がされます。
コネクタが統一化されているため、持ち物が減る
スマートフォン用の充電器やノートパソコン用の充電器などを必要な数持ち歩く事がありましたが、USB Type-Cはコネクタが同じであるため、種類の異なるケーブルを持ち歩く必要がなくなります。
供給側と受給側をスワップできる
ロールスワップという機能で、充電する側とされる側を変更する事ができます。例えば、ノートパソコンから充電器を充電していたとして、ノートパソコンのバッテリーが少なくなった際には充電器からノートパソコンを充電するように変更できます。
■まとめ
MagSafe、Qi、PDはワイヤレス充電や高速充電の規格や名称でした。磁石を利用したずれない充電であったり、メーカー問わず使えるワイヤレス充電であったり、最大240Wまでの高速充電に対応した規格であったりとそれぞれにメリットがあります。
ワイヤレス充電を使っているけれども、もっと早い充電を行いたい人はお使いのデバイスが何WまでのPDに対応しているかを確認してケーブルで充電を行うとより早く充電できるかもしれません。