テレワークを進める前に知っておきたいセキュリティリスクと対策

2020.04.03

働き方改革や新型コロナウイルスの影響で急激に進むテレワークですが、テレワークにはさまざまなセキュリティリスクがつきものであることをご存知でしょうか。

リスク対策を行わずにテレワークを進めてしまうと、思いがけないトラブルにつながる可能性があるのです。

 

そこで今回は、テレワークについての基本情報をご紹介するとともに、テレワークで発生する可能性のあるセキュリティリスクや、その対策について、わかりやすく解説していきます。

 

 

■テレワークとは

 

テレワークとは、「tere」=「離れたところで」と、「work」=「働く」の2つの言葉を合わせた造語です。主に、ICTを活用し、時間と場所を有効に活用できる柔軟な働き方を意味します。

 

また「テレワーク=在宅勤務」ではありません。

テレワークには、在宅勤務のほか、移動中などに仕事を行う「モバイルワーク」、勤務先以外のオフィススペースで働く「サテライトオフィス勤務」などが当てはまります。

 

 

■テレワークで発生する可能性のあるセキュリティリスクと対策

 

前述しましたように、テレワークは場所や時間にとらわれない働き方です。

個人のワークライフバランスに合わせて働き方を選べるなど、さまざまなメリットがある反面、オフィス外で仕事をすることによるデメリットがあることに注意が必要です。

 

ここでは、デメリットの中からセキュリティリスクに焦点を当て、その対策とともにお伝えします。

 

・データの損失

テレワークにおいてデータを共有する場合、紙媒体やUSBメモリ、クラウドサービスを使うことが一般的です。

紙媒体やUSBメモリの場合、紛失・盗難のリスクがあります。

また、個人が独自で利用を判断したクラウドサービスに問題が発生した場合、企業としても管理責任を問われる可能性が高いでしょう。

そのため、紙媒体は必要最低限の使用にとどめる、USBメモリにはパスワードを設定する、会社が認定したクラウドサービスのみ利用するなどの対策が必要です。

 

・公共の場での盗み見、忘れ物

テレワークの場合、自宅はもちろんのこと、カフェやコワーキングスペースといった公共の場で仕事を行うことも可能です。

しかし、第三者が覗き見をしないとは限りません。

偶然の覗き見だけでなく、明確な悪意を持って行われることもあります。

そのため、パソコンには覗き見を防止する液晶フィルターを貼ることをおすすめします。

また、公共の場で仕事をする場合は、通常以上に忘れ物をしないように気を配りましょう。

万が一忘れた場合に備え、各デバイスに「アクセス権」「読み取り専用」などを設定するとなお安心です。

 

・脆弱性の高いネットワークの使用

テレワークには、インターネット回線が欠かせません。最近では、駅や公共施設、カフェなど、フリーWi-Fiを利用できるスポットが増えています。

フリーWi-Fiは便利な反面、悪意のある第三者が接続した場合に通信内容を覗き見されたり、悪用されたりするリスクがあります。

 

この問題を防ぐためには、自社専用Wi-Fiの契約がもっとも効果的です。

 

 

■総合的なセキュリティ対策が必要

 

テレワークにはさまざまなセキュリティリスクがあり、何かひとつの対策だけで事足りるわけではないことをご理解いただけたでしょうか。

 

総合的なセキュリティ対策を行うためには、まず、総務省が発行している「テレワークセキュリティガイドライン 第4版」に目を通しておきましょう。

 

一口にテレワークと言っても、オフィスにある端末を遠隔操作する場合とオフィスの端末を持ち帰る場合では、やるべき対策も異なります。

また、ガイドラインでは、テレワークのパターンを6種類に分けていますので、自社に合ったセキュリティ対策を行う指針を示してくれることでしょう。