まもなく次世代通信「5G」実用化!5G開始でできること6つとローカル5Gを簡単に説明

2020.01.07

次世代通信「5G」の実用化が始まるのは、もうすぐです。過去の3G、4Gの実用化開始に比べてさらに大きな期待が高まる一方、「5G開始で一体何が変わるのか」「5G実用化に伴い、何が始まるのか」など、まだまだ疑問が多いという方も多いことでしょう。

 

今回は5Gの特徴に加え、5G実用化によって今後新たに始まるであろう内容、そして総務省も注力している「ローカル5G」の中身について、分かりやすく解説します。

 

 

■5Gの特徴

 

「5G」とは第五世代移動通信システムの略称です。同時にリアルな世界とサイバー空間が融合するSociety 5.0という考え方についても理解を深めておきましょう。Society 5.0が実現することで、サイバー空間にあるビッグデータを解析し自動処理を行うのは、AIやロボットの役目となります。

 

しかし、大量のデータが行き交うためには、高速・大容量・低遅延・多接続の通信環境が必要です。今までの4Gだけでは、今後より広がりを見せるIoTビジネスをカバーすることは不可能です。その結果、技術開発が進み、新しい規格である5Gが誕生しました。

 

 

■5G実用化でできること6つ

 

以下に、5Gが実用化されることにより可能となる主な事柄を6つ紹介します。

 

・自動運転

KDDIは2017年12月、日本で初めて一般公道での遠隔制御型自動運転システム実験を行い、成功させています。当時は4Gを使った自動運転の実証実験ですが、5Gが実用化されることで日本国内でもより一層、自動運転の実用化が進むと期待されています。

5Gネットワークを用いることで、渋滞や事故情報、人の飛び出しなどを瞬時に検知し制御することができれば、事故の減少にもつながるでしょう。

 

・テレイグジスタンス

テレイグジスタンスとは「TELE=遠隔」+「EXISTENCE=存在」を組み合わせた言葉です。例えば、遠隔地にいるロボットが見たものや聞いたもの、触れたものの感触を、専用機器を通して感じることができます。

 

・無人の災害復旧作業

5Gの特徴のひとつである、高速・大容量、低遅延を生かすことで、建機を遠隔操作で連携させることが可能になります。災害直後、二次被害の危険性があるために人間では近づくことが困難な場所でも、無人操作が可能になればスムーズに復旧作業できるようになることでしょう。

 

・ドローンの可能性拡大

すでに映像の撮影に関してはWi-Fiや4Gで問題なく活用されているドローンですが、5Gの実用化に伴い、データをリアルタイムで送ることが可能になります。ドローン同士のリアルタイムなコミュニケーションにも5Gの活用が見込まれているため、ドローン同士の衝突回避にも役立ちます。

 

・遠隔診断・遠隔治療

日本では少子高齢化が進み、過疎地では医師不足、医療機関不足が問題となっています。遠隔治療自体は以前より進められていた内容ですが、画像が不鮮明、画像送信の遅延といった問題も多く、現実的とはいえませんでした。しかし、5Gの低遅延・多接続が実現することで、高精細映像の伝送や医師同士によるリアルタイムなコミュニケーションが行えるTV会議などが可能になります。

また、都市と遠隔地での医療格差を解消することや、地域全体の医療サービス向上などのメリットもあります。

 

・農業でのICT活用

日本では、農業従事者の8割が60歳以上と、他業種以上に高齢化が進んでいます。しかし、地域経済にとって農業は重要な基幹産業のひとつです。

個人経営が減り法人化が進んだことで、IoTをはじめとするICTの活用への期待が高まっています。作業管理を自動化し、耕作地の状況をAIで解析するためにも、5Gの高速・大容量通信は大いに役立ちそうです。

 

 

■「ローカル5G」のルール化も進行中

 

総務省では、2020年に5Gの商用サービスが開始されることに向けて、2017年度から3年間、「5G総合実証試験」に取り組んでいます。

 

中でも、地域での利活用促進に向けて動き出しているのが「ローカル5G」のルール化です。「ローカル5G」とは、地域・産業の個別ニーズに応じ、地域の企業や自治体などが柔軟に構築できる5Gシステムのことを意味します。

 

他の地域の通信障害などの影響を受けにくく、エリア展開されていない地域でもシステムの構築・導入が可能など、かなり大きなメリットがある点が特徴です。

 

例えば、事業主が工場に導入し「スマートファクトリ」を作る、自治体が導入し「河川等の監視」に使うなど、活用の幅が広いためルール化・実用化が待たれます。