AIが記事を自動作成する時代が到来!英語だけでなく日本語の作成ツールも誕生
ビジネス文書の作成自体は、パソコンなどのIT化により、以前に比べるとかなり手軽に行うことができるようになりました。
しかし、文書そのものの作成に関しては、まだまだ人の手が必要です。
しかし、すでに「AIが記事を自動作成する」ことは始まっており、身近で実用化されていることをご存知でしょうか。
今回は、文章や音楽、動画などを自動で生成する「生成系」のAIの中から「文章作成」に特化して、ご紹介します。
■認識系のAIから、生成系のAIへ
今、AIの技術は大きく革新を遂げています。当初、AIの認知度を高めたのは、人の顔や声などを認識する技術を持つ「認識系AI」でした。
人間では不可能なスピードで大量のデータを瞬時に判断するAIは、IoTの領域でも活躍しています。
一方、新しく登場したのが「生成系AI」です。データを元に自動で画像や音楽、文章を作成することが可能で、人の想像力を超えるような内容も期待されています。
ここでは「文章」に特化し、すでに実用化が進んでいる記事の自動作成AIについてご紹介します。
・AP通信(アメリカ)
ニューヨークのAP通信は、2014年以降、自動化での記事作成を進め、すでに3,500本以上の記事を作成済みです。
その自然な文体は、人が書いた記事と見分けがつかないほどです。
また2016年には、扱う記事のジャンルを拡大したことで、米マイナーリーグの記事の配信がスタートしています。
・Articoolo(イスラエル)
Articooloは、キーワードを入力することで、関連するコンテンツを自動作成してくれるツールです。
現在、日本語はベータ版(試用版)として対応しています。
使い方は、2~5つのキーワードを入力するだけで、自動的にキーワードに対応した記事が作成されるなど、とてもシンプルでわかりやすいです。
気になる金額は、2020年1月現在、従量制と月額制に分かれていました。
従量制の場合は、10記事19ドル(約2,000円)から、継続して使用する場合は1ヶ月30記事を29ドル(約2,900円)から利用できます。
現在のところ、すべての記事がそのまま使用できるレベルとは言い難いものの、技術の発達と共に精度が高まることでしょう。
・日本経済新聞社
日本経済新聞社では、上場企業が発表する決算データをもとにAIが文章を作成し、要点をまとめて配信する「決算サマリー」のサービスを提供しています。
文章の作成から配信まですべて自動化されており、人が行う作業はありません。
現在は試用版の位置付けですが、日本経済新聞の電子版コンテンツとして、すでに活用されています。
■朝日新聞では、AIによる見出しの自動生成の取り組みがスタート
新聞記事の見出しは、今まですべて人の手で作成されていましたが、内容や長さを考えるには時間がかかります。
そこで負担を減らすため、朝日新聞では見出しの自動作成APIの開発に取り組み、すでに評価版が一般公開されています。
ただし、現在のところ公開予定は2020年3月末までとなっており、商用利用は認められていません。
利用は1日50回までなどのルールはあるものの、実際に試すことができる点は大きなメリットとなりそうです。
また、機械翻訳の技術を応用しているため、正確性が高いことも特徴のひとつです。
■AIの記事執筆ニーズはさらに高まる見込み
AIの記事執筆ニーズは、今度ますます高まると考えられます。
また技術革新に伴い、よりスムーズな言い回し、正しい言葉づかいを操るようになるでしょう。
人間のチェック作業が不要となることで、より迅速に情報を公開することが可能になると考えられます。
しかし、だからといって記者や編集者が不要になるわけではありません。
AIが定型記事を執筆し、人間はより深い分析が必要な記事や創造力が必要な記事を執筆するなど、住み分けが進むとの予測もあります。